今では、オンラインカジノの電子決済サービスといえば、エコペイズやアイウォレットなどが主流になっています。
しかし2016年までは、それらより遥かに大きなシェアを持ち、オンラインカジノを利用している人なら全員が登録しているといっても過言ではないサービスがありました。
それがネッテラーです。
圧倒的な人気と支持を得ていたネッテラーですが、2016年に日本から撤退してしまいます。
しかも日本だけではなく、ヨーロッパを除いた他の国からも撤退しました。
今回はこのネッテラーについて、撤退した理由や2018年の再開などの解説をしていきます。
ネッテラーが撤退した理由とは
日本から撤退した理由は、金融庁や警視庁の圧力が原因だと考えられています。
基本的に、日本では賭博が禁止されています。
今現在日本でカジノを営業した場合闇カジノとなり、プレイ中に捜査官がなだれ込んでくるかもしれません。
ドラマでよく観るシーンです。
しかし、オンラインカジノは海外に拠点があるわけですから、その国で合法のものを日本からアクセスしてプレイするのが何が悪いの?という理屈が働きます。
その国に行ってプレイするのは良くて、日本でアクセスしてプレイするのはダメというのは、同じサイトの同じゲームをプレイしているのに意味が分かりません。
法的にもグレーゾーンで、原則として賭博罪には該当しないと考える方が多いです。
撤退の半年前に日本で逮捕者が発生
ただ、ネッテラーが2016年9月に日本から撤退するわずか半年前、日本で初めてオンラインカジノのプレイヤーが逮捕されるという事件が起こりました。
そのオンラインカジノはスマートライブカジノで、ディーラーに日本人女性を起用し、ライブ開始も日本時間の夕方から夜ということで、明らかに日本人向けに設計されたカジノでした。
プレイヤーは逮捕されるにはされましたが、最終的に無罪が確定しています。
判決の理由は、概ね、前述したような理由と相違はありません。
つまり、日本国内のカジノをプレイしたら違法だけれど、オンラインカジノはあくまで海外の合法のものをプレイしているのだから、違法ではないということです。
法律の世界では、法律の文言そのものよりも、むしろ判例のほうが絶対的な規範として妥当する側面があります。
そのため、逮捕者が出たというのはショッキングなニュースでしたが、この裁判所の立場が明かされたことで、警察も逮捕しても無駄、ということが分かりました。
事件によってむしろユーザーは安心を得た
さらにユーザーの方でも、明確に裁判所の立場が明かされたことで、むしろ前よりも安心してプレイできるようになった、と考える人が出てきました。
裁判で無罪になったのが大きかったといえるでしょう。
起訴しても無罪になるのが分かっているのに、さらにその前例があるにも関わらず、今後、さらに逮捕者を出すのはむしろ税金の無駄遣いであって、訴訟経済に反し、単純に公益上の必要性が乏しいです。
このように、むしろ今ではユーザーにとってメリットになりうる事件ではあったのですが、ことネッテラーに関して言えば不利に働きました。
ネッテラーからしてみれば、日本のユーザーが逮捕されたことは当然、オンラインカジノでの利用を目的とした決済も、処罰の対象になりうると考えられたからです。
そういうわけで、ネッテラーは2016年9月に、安全策を講じて、日本からの撤退をしました。
ネッテラーの再開について
それからオンラインカジノのユーザーは、冒頭で示したような他の電子決済サービス、アイウォレットやエコペイズに移行しました。
しかし、撤退から2年後の2018年10月、ネッテラーが再開したというニュースが日本国内に駆け巡りました。
ネッテラーを運営しているイギリスのペイセイフグループが、正式に日本の関東財務局の認可を受けてサービスを再開しました。
再開後もオンラインカジノでの利用は不可のまま
これによって、多くの人がネッテラーをまたオンラインカジノで使えるようになる、と期待しました。
しかし、現時点では日本語対応しているオンラインカジノでは、ネッテラーを使えるようにはなっていません。
つまり、再開したネッテラーは、あくまでオンラインカジノ以外の、クレジットカードや各国の銀行口座、仮想通貨などの決済に対応する多角的な電子サービスとして機能しています。
関東財務局の登録にあたって、おそらくオンラインカジノなどのギャンブルの決済利用不可が条件になっていたと考えられます。
今後も使えるようになる可能性は低い
そうなると、おそらく今後も以前のようにネッテラーをオンラインカジノで利用することは難しいです。
あくまでオンラインカジノ以外の決済にネッテラーを使うには優秀ですが、日本人がオンラインカジノを使うとしたら、今後もエコペイズやアイウォレットなどを利用していくことになります。